日本生命保険相互会社
総額1兆円を超える不動産の管理システムをリプレース
コスト・時間を大幅に削減してスムーズな移行を実現
テナントビルなど総額1兆円を超える不動産を所有する日本生命保険相互会社は、その不動産管理業務の中枢を担うシステムのリプレースにあたって@propertyを導入しました。導入にはどういった狙いがあり、導入後は実際にどういった効果が出ているのでしょうか?
ポイント
総額1兆円を超える所有不動産の管理に@propertyを採用
最小限のカスタマイズと入念な準備で速やかなリプレースに成功
課題
業務フロー改革
会計制度や税制改正への早期対応
システムの開発期間とコストの削減
効果
支社や管理会社を含め標準化された業務フローを確立
国際会計基準などへのスピーディーな対応が可能に
初期コスト・開発期間とも従来の約2/3に
【導入前の課題】さらなる事務効率化とコスト抑制へ向けて
日本生命は全国約400棟の賃貸用ビルなど、投資残高約1兆1,000億円の不動産と営業拠点を所有しており、その運営の中枢となる不動産管理システムのリプレース時期を迎えていました。
対象となるシステムのユーザーは本社、支社、関連企業を含めて約700名。財務会計など基幹システムや社外システムとも連携しており、リプレースおいては事務作業のさらなる効率化とシステム投資の抑制が至上命題となっていました。
【導入経緯】最小限のカスタマイズで新たな業務フローを確立
そこで日本生命ではパッケージや自社開発型システムを含めた比較検討をスタート。その結果、将来にわたって業務フローの改革や制度改正への対応、システム開発コストの抑制が期待できる@propertyを採用しました。
その後はユーザー部門が主体となって@propertyの基本機能を分析し、本当に必要な機能や業務要件、管理ポイントを明確化。必要最小限のカスタマイズ要件を抽出しました。これにより、本社、支社、管理会社の業務標準化をおこない、新たな業務フローが確立されます。
また、会計処理や資金移動などの重要業務や基幹系システムの日締勘定処理、バッチ処理は停止・遅延が許されません。これらの重要業務や大量の計算処理を必要とする機能については、信頼性や性能を設計段階の仕様として作りこみ、入念なテストを繰り返すことで、システムの安定稼働を実現しました。
【導入後の効果】初期コスト・開発期間ともに大きくカット
その結果、従来型の自社開発による不動産基幹システムに比べ、初期コスト・開発期間ともに約30%の削減に成功。テスト・導入準備期間も大幅に短縮されました。さらにシステムの運用・保守だけでなく、操作説明などのユーザーサポート機能もアウトソーシングすることで運用面の負荷を低減しています。
また、法制度改正などへの対応について、@propertyはユーザー要望をふまえた標準バージョンアップが行われます。日本生命では国際会計基準(IFRS)への対応など、将来にわたる環境変化にも柔軟にアジャストできると期待されているようです。
「不動産の基幹業務にクラウドサービスを本格的に採用するのは初めての試みでした。会計処理など複雑なロジックの実装や既存システムとのデータ連動は難易度が高く、仕様の確認からテストまで慎重に進める必要がありましたが、クラウド型の@propertyは早期からシステムに触れ、仕様確認・テスト・並行運用ができるので、仕様の齟齬などもその都度解消することができました。また、業務マニュアル作成や教育など運用準備にも余裕をもって取り組むことでスムーズにシステムを移行し、本運用を開始することができました」(担当者)。