
銀泉株式会社
請求まわりの工数が約半分に改善
法改正への対応とリモートワークも加速
大阪と東京に本社を置き、保険代理店事業、ビル事業、駐車場事業、不動産コンサルティング事業を手がける銀泉株式会社。ビル事業では首都圏と近畿・広島エリアに約40棟のオフィスビルや商業ビルを保有し、お客様のビジネス環境の整備を進めるとともに、機能的で快適な街づくりに取り組んでいます。
そんな銀泉株式会社では2022年に@propertyを導入。ビル事業における不動産管理業務を中心に活用されています。導入前の課題や導入効果について、大阪本社と東京本社それぞれで@propertyを利用されているビル管理業務の担当者様と、システム導入時のプロジェクト担当者様にお話を伺いました。
ポイント
自社開発システムからの切り替えにより業務を効率化&標準化
今後はさらなる活用に向けてあらゆるデータを@propertyに集約
課題
紙による情報管理の手間と煩雑さ
法改正への対応が遅れるリスク
なかなか進まないリモートワーク
効果
請求関連業務の工数が約半分に短縮
工期スケジュールの可視化
法改正対応とリモートワークの推進

【導入前の課題】紙ベースの業務の手間と法改正への対応
銀泉のビル事業部門では、以前から自社開発した業務用システムと大手の会計システムを利用していたものの、テナントへの請求や支払い関連業務のほとんどを紙で管理していました。そのため工数がかかり、担当者が出社しないと仕事が進まない状況でした。
また、インボイスや電子帳簿保存法といった法改正への対応や、大阪本社と東京本社で業務フローが異なる点にも課題があったそうです。
「それまで使っていた自社開発システムの場合、自ら開発会社にオーダーしないと改修が進まず、法令への対応漏れにつながるリスクがありました。また、東京では合併により取得した物件が多く所有形態が多岐にわたっていたため、物件ごとの業務フローが異なり、東西で業務の標準化が一部できていない状況でした」(川崎様/東京本社)。

【導入経緯】@propertyを選んだ決め手は?
こうした課題を解決するため、銀泉では自社開発システムからの切り替えを決定。切り替えにあたっては業務の標準化を1つのポイントとして重視されました。
「2015年の合併後も、東京本社では以前の会社の業務フローが一部残っていました。既存のシステム上で何とかフローを合わせようとはしていたものの、実際の作業はかなり属人化してしまっていたんです。システム切り替えにあたっては、まずその点を解消したいという想いがありました」(宇髙様)。
そのうえでクラウドならではのコスト面のメリットや、@propertyの汎用性の高さに着目されます。
「当初は自社開発システムの改修や、会計システムの不動産管理モジュールを利用するという選択肢もあったのですが、改修はコストの高さと法令対応を含めた運用面で難しく、モジュールは駐車場事業で利用できないという課題が残りました。
また、それまでは紙で管理している情報が多く、ペーパーレス化を迫られていました。そうした点をふまえ、会社の仕組みを世の中の流れに合わせていくという意味でも、クラウドサービスが有力候補となりました。そのうえで運用コストが抑えられるうえ、導入社数が多く、汎用性にも優れた@propertyに決めたというのが導入の経緯ですね」(宇髙様)。
銀泉ではシステムの切り替えにあたり、@propertyを導入している複数の企業を訪問し、利用している機能や使い勝手、カスタマイズの有無などのヒアリングを実施。あわせて電子請求書発行システムを導入し、@propertyで作成したデータを電子請求書発行システムに取り込むことで、速やかに請求処理できる体制を整えました。

【導入後の効果】業務工数が約1/2に+工事進捗の見える化も
その結果、懸案だった請求や支払い処理の工数は大幅に改善されました。
「従来の請求処理では検針データの数字をテナントごとに手入力していたのですが、@propertyのインポート機能によって手間が大幅に減りました。これまで10日くらいかかっていた請求まわりの業務工数が5日くらいにまで短縮されたと思います。また、支払処理についても工事、計画といった前業務の段階で審議をあげることにより、支払データが作成されるようになりました。すごく楽になったと実感していますし、紙での管理が必要なくなり、在宅で仕事を進められるようになったのも大きいですね」(江副様/大阪本社)
「伝票を印刷して印鑑を押し経営企画部へ送付するというやりとりがあり、大量の書類があふれ、どの書類を送るのか、どこに押印するのか、間違えてしまうこともありましたが、ペーパーレス化によってそういったストレスがなくなりましたし、誰が処理したデータなのかチェックの際にもとても助かっています」(植松様/東京本社)。
加えて法制度への対応についても、その都度システム開発会社へ改修を依頼する必要がなくなったうえ、請求・支払以外の業務でもメリットを感じていらっしゃるようです。
「これまでは物件の工事スケジュールをExcelで管理していました。そのため予定と進捗を把握しているメンバーが限られ、半期に一度の見直しも必要だったのですが、@propertyのコンストラクションマネジメント機能を使うことで、誰もがタイムリーにスケジュールを見られるようになりました。
それからレントロール(家賃明細表)も大阪、東京それぞれ別の形で作成しており、書式も異なっていたのですが、今は契約一覧のカスタマイズレポートのような形で必要な時に必要なものを抽出し、レポート化できるようになりました。鑑定会社への依頼の際などにさまざまなデータの提出を求められるので、これまではその都度データが正しいのかどうか時間をかけてチェックしていましたが、今は契約にもとづく形でフォーマットも揃っているので、その手間がなくなりました」(川崎様/東京本社)。

【今後の展望】さらなる業務改善へ向けてデータを@propertyに集約
最後は今後の展望について。@propertyを今後どのように活用していきたいか、東京本社、大阪本社それぞれの担当者様に伺いました。
「ビルの保全を担当している方々にデータを入れていただいたりして、よりリアルタイムに連携できるようにしたいですね。今はメールで業務連絡が届くので、メールが埋もれたりすると認識のズレが発生することがあります。今後はすべてのデータを@propertyに集約できると、お互いのためにもいいかなと。少しずつステップを踏んでいき、例えば検針表も入れてもらえるようになると、私たちはインポートするだけになります。@propertyによって着実に工程が減っているのは実感しているので、ぜひ実現していきたいですね」(植松様/東京本社)
「これまでは@propertyに通常業務を乗せること、安定稼働させることを目標にしてきたので、まだまだ使えていない機能がたくさんあるのかなと感じています。今後は設備情報や営業情報をどんどん蓄積していき、@propertyを見ればビル事業部門のデータが誰でもわかる状態にしていきたいと思っています」(墨様/大阪本社)
また、銀泉では@propertyの活用チームも組んでいるそうです。
「日頃@propertyを使っているメンバーが集まり、月に1回は打ち合わせするようにしています。そのなかで「こうした使い方もできるのでは」「この業務にも応用できるのでは」といったさまざまなアイデアが出てきています。あわせて、インボイスにおける消費税の端数の処理、メンテナンス計画のスケジュールで入力したデータと支払票の連携など、いくつか改修の要望もあるので、それらもプロパティデータバンクさんにお伝えし、しっかり連携しながら@propertyをさらに活用していきたいですね」(川崎様/東京本社)。