USER INTERVIEW

株式会社資生堂

「すべての業務の起点にはデータがある」
次世代の不動産運用とサステナブルな働き方の実現へ向けて

日本を代表する化粧品メーカーである株式会社資生堂は、「人的資本への投資こそ企業価値の向上につながる」という理念のもと、「People First」を重要戦略の1つに位置づけ、従業員の働きやすさを重視したオフィス空間の整備に取り組んでいます。

そうしたなか2019年には戦略的な不動産活用に取り組むファシリティマネジメント部を設立。その業務の根幹となる不動産管理方法を刷新するため、2021年に@propertyを導入しました。ファシリティマネジメント部グループマネージャーの横田氏に、@propertyの導入経緯や導入後の効果について伺いました。

ポイント

データの見える化によって不動産管理業務を抜本的に革新
戦略立案も効率的に。今後は環境への取り組みにもデータを活用

課題

紙やExcelによる非効率な不動産管理
不揃いな情報共有フォーマット
データへのアクセスが難しい業務体制

効果

データ集約業務の工数が1/2以下に
年間契約や運用戦略の策定が効率化
テレワークやハイブリッドワークの推進

【導入前の課題】データの一元管理とはほど遠い業務体制

2019年に設立されたファシリティマネジメント部では、統一されていない情報共有フォーマットや業務の属人化など、不動産の管理業務に大きな課題を抱えていました。

「それまで不動産の管理運用は、紙面もしくはExcelシートで行っていました。担当者ごとにフォーマットも異なっており、属人化していました。過去のデータも担当者がそれぞれ個別に持っている状態で、一元管理や一覧性の高いデータ管理とはほど遠い状況だったんです」(横田氏)

【導入経緯】手間やコストを重視して@propertyを採用

そこでファシリティマネジメント部では不動産を戦略的に捉え、最適な管理・運用を実現すべく、管理方法を抜本的に見直してシステム導入の検討をスタート。導入期間やコスト、システムの柔軟性などの複数の観点から検討した結果、2021年に@propertyの導入にいたりました。

「システムの導入にあたって特に注目したのは手間やコスト、柔軟性です。これらの観点から導入時のハードルが低いシステムが好ましいと考えました。他のERPシステムなども比較検討しましたが、@propertyはスモールスタートが可能で、また関係者からの紹介があったことも大きな決め手になりました」(横田氏)。

【導入後の効果】集約作業の工数が半分以下に。テレワークも後押し

横田氏によると、導入後は物件の管理業務が大きく効率化。管理項目を自由に追加でき、契約状況や物件グループなど複数の条件をかけ合わせて出力するポートフォリオ機能を活用することで、それまで2時間以上かかっていたデータの集約業務が、1時間以内で済むようになったといいます。

「集約作業がとても楽になりました。データからリース契約の内容や賃借料、広さなどから効率性を把握することで、契約継続などを判断する材料にしています。また、年間計画や不動産運用戦略の策定、将来的な予測も効率的に行えるようになりました。ファシリティマネジメントにおける@propertyの役割は大きいと感じています」(横田氏)。

さらに@propertyは、部門の働き方を変えるきっかけにも。データをクラウド上に保管できるためテレワークが可能となり、ABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)の導入や、テレワークとオフィスワークを組み合わせたハイブリッドワーク導入の後押しとなりました。

「権限があれば誰でもデータを見られる状態になったことで情報共有が進み、データ自体の透明性も高まりました」(横田氏)。

【今後の展望】サステナブルなオフィス運用への取り組みにも活用

認定ファシリティマネジャーの資格も持つ横田氏は、不動産の利活用においてデータへのアクセスが特に重要だと指摘します。

「常にデータを見られる環境は、不動産の利活用を意識するきっかけになります。戦略の策定からアイデアの創出まで、あらゆる業務の起点にはデータがあり、その集約と可視化は基本的な取り組みです。@propertyを導入したことで、その重要性をあらためて感じるようになりました」(横田氏)。

ファシリティマネジメント部では、不動産運用の効率化に向けた新たな取り組みに着手しています。

「今後、関係部門や子会社はもちろん、海外の不動産管理業務にも@propertyの導入を進めたいですね。そうしたなかで一元化できたデータをどう今後活用するかが重要だと思います。また、サスティナビリティの観点からオフィスの効率化だけでなく、オフィスの運用にも注目しています。特にエネルギーは重要な要素で、使用電力量の削減に向けた検討も@propertyのデータを活用しながら取り組んでいきます」(横田氏)。