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不動産投資における長期修繕計画の策定方法|修繕積立金の相場や見直し方法も解説

不動産を所有すると長期修繕計画を策定し、計画に基づいて修繕積立金を積み立てていかなければなりません。
しかし、適正な長期修繕計画を策定することは簡単ではありませんし、修繕積立金をいくらに設定するのかの判断にも専門的な知識が必要です。

この記事では、長期修繕計画の作成方法や、修繕積立金の金額や金額を見直すタイミングなどについて詳しく解説していきます。
長期修繕計画の策定方法を知りたい、不動産オーナーの方はぜひご覧ください。

長期修繕計画とは?

長期修繕計画は10年20年の長期的な先を見据えた不動産の修繕計画です。
不動産は建設から10年以上など、ある一定期間を経過すると次のような劣化を起こす可能性があります。

● 外壁の色落ち
● 外壁や屋上からの浸水
● タイルの剥がれ
● 配管設備の腐食や劣化
● 駐車場のコンクリートのひび割れ
● ガス設備の劣化
● その他、エントランスや共用部分の故障

建物の安全や美観を確保しながら不動産経営を行っていくためには、定期的に大規模な修繕が必要になりますし、そのために、事前に「どのように修繕を行っていくのか」の計画を立てて、修繕に向けた資金の積み立てをしていかなければなりません。
長期修繕計画の目的や工事の箇所、また修繕積立金の適正相場などについて詳しく解説していきます。

長期修繕計画を立てる3つの目的

長期修繕計画を立てる目的は主に次の3つです。

● 数十年先に必要になる工事に備えるため
● 修繕積立金がいくら必要かの見積もりをするため
● 工事が必要になった時にスムーズに修繕工事を発注できるようにするため

不動産の劣化は年数の経過とともに「必ず」起こるものです。
そのため、数十年先にはどのような修繕が必要になるのかということをあらかじめ予測して、工事計画を立てておき、その工事に必要な資金を蓄えておく必要があります。

大規模修繕を行うには、数千万円規模のお金がかかりますし、規模の大きなマンションなどの場合には数億円規模になることもあります。
このような費用を急に用意することは困難であるため、あらかじめ修繕計画を策定しておき、計画に基づいて資金を積み立てておくことでスムーズに修繕工事を行うことができます。

また、大規模な工事を急に業者に発注しても、仕事を引き受けてくれる業者が存在するかどうかも分かりません。
業者を探している間に劣化がどんどん進んで、危険度がさらに増してします可能性もあります。

将来的にはどんな建物の劣化が起こり、そのためにはどんな工事が必要で、必要な予算はいくらで、毎月いくらの修繕積立金を積み立てていくべきなのかということを事前に準備するのが長期修繕計画を立てる目的です。

複数の不動産を所有する場合は不動産ごとに計画書の作成が必要

長期修繕計画はマンション一棟、一棟策定しなければなりません。
不動産の耐用年数は不動産の立地や環境によっても異なります。
そのため、不動産一棟、一棟に合わせた修繕計画を立てることによって、不動産の耐用年数や外観を綺麗に保つことができます。

不動産1つ1つの修繕箇所や点検の箇所、面積・耐用年数などを把握して、不動産ごとにどのような修繕を行うべきかの計画を立てなければなりません。
複数の不動産を所有している場合は、例え建設年が同じだったとしても、不動産1つ1つに対して修繕計画を立てるようにしてください。

長期修繕計画で修繕する工事箇所

長期修繕計画で修繕する箇所と工事の内容には次のようなものがあります。

この他、内装のクロスや床の交換など不動産の種類や利用状況によって、様々な修繕箇所があるでしょう。
所有する不動産にはどのような設備があり、どんな工事がどの程度の周期で必要なのかをまずは把握することが重要です。
また、全ての箇所を同じタイミングで修繕するのではなく、工事の種類によって修繕の周期が異なるということにも注意して計画を立てるようにしてください。

修繕積立金の適正相場はいくら?

国土交通省は、長期修繕計画のガイドラインの中で修繕積立金の平均値を以下のように紹介しています。

● 20階建て以上の高層マンションの1ヶ月あたりの平均値:338円/㎡
● 20階建て未満の1ヶ月あたりの平均値:252~335円/㎡

例えば延床面積1,000㎡の不動産を所有している場合は、修繕積立金は毎月20万円〜30万円程度の修繕積立金を用意しておいた方がよいでしょう。
また、不動産を貸し出す場合には、「1平方メートルあたりいくらの修繕積立金が必要になるのか」を考慮して家賃設定を行うことが重要です。

物件の家賃+修繕積立金の金額を家賃として設定しましょう。

修繕積立金と修繕積立基金の違い

長期修繕計画を計画的に実施するためには、修繕するための資金を用意しておかなければなりません。
大規模修繕を実施するために積み立てておく費用として「修繕積立金」と「修繕積立基金」が設定されますが、これらは意味も異なります。それぞれの違いについても理解しておきましょう。

修繕積立金とは

修繕積立金とは、「毎月〇〇円」として、長期修繕計画で決定した決まった修繕費用を毎月積み立てていく資金です。
長期修繕計画に基づいた修繕は、基本的に毎月積み立てた修繕積立金から行います。

修繕積立基金とは

修繕積立基金とは不動産を購入した際に、万が一、修繕が発生した際に備えて一括で用意しておくお金です。
基本的に建物の修繕は長期修繕計画に基づいて、修繕積立金の中から修繕を行います。
しかし、不動産には長期修繕計画では想定していなかった劣化や故障が起こる可能性があります。
このような予期せぬ修繕が発生した場合に修繕積立金を使ってしまうと、あらかじめ計画した修繕計画を実施できなくなる可能性があります。

そのため、イレギュラーな修繕を行う際には、修繕積立金ではなく、修繕積立基金から支払います。

修繕積立金は長期修繕計画に基づく修繕を行う際に支払うもので、修繕積立基金は長期修繕計画では想定していなかった修繕が発生した際に支払うものと理解しておきましょう。
いずれにせよ、修繕費が本業の資金繰りを圧迫することがないよう、事前にお金を用意しておく必要があります。

長期修繕計画の作成方法

長期修繕計画の策定には、法的な厳しいルールがあるわけではありません。
しかし「どのように修繕計画を策定したらよいか分からない」という場合には、国が公表しているガイドラインに基づいて作成するのがおすすめです。
基本的には、ほどんどの長期修繕計画が国が策定したガイドラインに則ったものとなっているので、よほどこだわりや特段の事情がない限りはガイドラインに沿って計画を立てるのがよいでしょう。
長期修繕計画の策定方法や、長期修繕計画はどのくらい先のものまで作成すればよいのか、計画を見直す頻度はどのくらいかなどについて詳しく見ていきましょう。

ガイドラインに基づいて作成する

国土交通省は、不動産の大規模修繕に関するガイドラインを公表しています。
このガイドラインに従って不動産の長期修繕計画を策定することは義務ではありませんが、ガイドラインはかなり詳細に修繕計画の策定方法を紹介しているので、ガイドラインに沿って計画を策定すると効率的です。
国が定めたガイドラインにおいては次のようなことが明記されています。

● 長期修繕計画の作成の基本的な考え方
● 長期修繕計画の作成及び修繕積立金の額の設定の目的
● 長期修繕計画の作成及び修繕積立金の額の設定の手順
● 長期修繕計画の周知、保管
● 長期修繕計画の作成の方法
● 長期修繕計画の内容及び修繕積立金の額のチェックの方法
● 推定修繕工事項目

ガイドラインでは修繕計画の策定方法や修繕積立金の設定方法、そして修繕計画や修繕積立金のチェック方法まで非常に細かく修繕計画の策定方法を解説しています。
さらに、「長期修繕計画標準様式」も公表されているので、基本的にはこの様式に沿って修繕計画を策定していくだけで優良な長期修繕計画を作ることができます。

長期修繕計画で策定しなければならない項目は非常多岐に渡ります。

「どのように長期修繕計画を作成したらよいか分からない」という方は、国土交通省のガイドラインを参考にするのがよいでしょう。

参考:国土交通省|マンション管理について

長期修繕計画は超長期の計画を作成することも可能

長期修繕計画は、30年とか50年先の計画を立てることもできます。
「どのくらい先まで計画を立てなければならない」というルールはないので、超長期の計画を立てても問題ありません。
しかし、不動産の修繕は、箇所によって修繕の周期は異なりますし、利用状況や立地によっても異なります。
そのため「超長期の修繕計画を立てたから安心」ということもありません。

長期間使用する予定の場合には、超長期の修繕計画を立てることも重要ですが、外壁のように比較的短期間で修繕が必要になるものもあります。
そのため、重要なことは「項目別、不動産別にベストな期間の修繕計画を策定する」ということです。
そして、「5年ごと」など、決まったスパンで計画の見直しをすることも重要です。
まずは20年先くらいの長期修繕計画を立てて、定期的な見直しを行い、常にベストな修繕計画となるように運用していきましょう。

長期修繕計画は5年ごとに見直しをする

長期修繕計画は「一度作ったらその後はずっと安心」というものはでありません。
定期的な見直しが必ず必要になります。
例えば耐震制度が改訂された場合には、改訂に合わせて計画も見直さなければなりませんし、想定よりも早く不動産の劣化が進んでいる可能性もあるためです。

不動産を運営していれば不測の事態による建物の劣化や破損は必ず起こります。
そのため、長期修繕計画は最低でも5年に1度は必ず見直し「当初の修繕計画と異なる点がないか」「当初の計画よりも前倒しで修繕を行わなくて大丈夫か?」などを検討してください。
検討の結果、長期修繕計画を修正する必要があるのであれば、柔軟に計画を変更しましょう。

見直しに合わせて修繕積立金も見直す

長期修繕計画を見直し、変更があった場合には、計画の変更に合わせて修繕積立金の見直しも行わなければなりません。
例えば、「当初の想定では外壁の塗装は10年に1度でよいという想定だったが、風雨が強い立地であることから、7年に1度は塗装をしなければならないことが分かった」という場合です。
この場合は、当初は20年の長期修繕計画の間に2回の外壁塗装工事をする予定だったものが、20年の長期修繕計画の間に3回の外壁塗装工事が必要になり、その分修繕積立金の引き上げが必要になります。
このように、修繕計画の見直しに合わせて「工事費がいくら増えたのか(減ったのか)」もその都度算出し、見直し後の計画に合わせた修繕積立金の再設定を行いましょう。

まとめ

建物には必ず定期的な修繕が必要になります。
不動産の規模によっては、1回の修繕費用だけで数百万円〜数千万円という高額な修繕費がかかり、場合によっては数億円規模になることもあります。
このような巨額な修繕費用を突然支出することは困難です。
また、業者も急に「大規模な修繕をしてほしい」と依頼されても、対応できるかどうかは不透明です。

そのため、不動産経営においては、投資を始めた当初から長期修繕計画を策定し、修繕積立金を積み立てておく必要があります。

長期修繕計画については、国のガイドラインが公表されていますが、不動産の実態に合わせて完璧な修繕計画を策定することは困難ですし、定期的な見直しも重要です。
不動産の修繕計画の策定と効率的な運用には専門的な知識や経験が必要です。
しっかりとした計画の策定と適切な運用をしていきたい場合には、不動産管理の専門家に任せることも検討しましょう。

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※1 ⽉刊プロパティマネジメント誌「業務管理システム調査」より(不動産管理を⽬的とした専⽤ツールにおける国内シェア(⾃社開発システム、excel管理などは含まない)
※2 @プロパティサービスリリース以来累計契約社数

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